2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

詩『夜』

静かな夜 眠れない夜 終わらない夜 明けなければいいと思う夜 うまくいかないことを 危うく夜のせいにしかける ただ陽が照っていないというだけだ

詩『もうすぐ桜が咲く』

春の暖かな日の午後 いつもより早く目が覚め 勇気を持って散歩に出る 日射しは身体を温め 坂道は脚の筋肉を刺激する 毛穴が開き汗が出る 警察官が 俺にこんにちはと言う 店でメシを食えば 帰り際に礼を言われる 俺に笑いかける定員さえいる 人の声と顔が 当…

詩『うさぎの尻尾』

俺には愛する女がいて しかし彼女は俺のそばにはいない どんな時代にも どんな人間にとっても よくある よくある話だ 彼女が一人でいるところ 誰かといるところ 笑っているところ 泣いているところ どのような表情や場面を想像しても 俺の感情は低空飛行を続…

詩『忘れ物』

少年の頃から 忘れ物をひどくおそれていた しかし必ず何か忘れた 準備万端のつもりでベッドに入ったのに 三十分後にはランドセルをひっくり返し いちから確認し直す 学校で叱られ 家でも叱られる ある教師は言った 「二度と忘れませんと約束しろ」 俺は頭の…

詩『創作』

夕方に目を覚まし 遅い一日が始まる 家路を急ぐ労働者を ベランダから眺める 視線が合わないなら 人を見ることくらいできるさ 何かそこらにあるものを食べ 何か飲み 時間が過ぎるのを待つ 気分転換に風呂に入り 何か飲み トイレに行く 皆が夕食にありつく頃 …

詩『泉』

誰の どのような言葉も 今の俺を楽にはしてくれない それが分かって以来 本を読むことが難しくなってきた それでも溢れる言葉 俺の中にこんなに言葉があったということが ほんの少しだけ 俺を慰めてくれる

詩『無題』

ニュースも 電話の声も 誰かの呼びかけも インターフォンの音も 耳から入って 脳へと届かない たまに脳に届いても 吸収ができない 声帯や四肢に命令ができない たまに身体が動いても 力が入らず うまくできない 目的を達成できない 目的? 俺の目的……

詩『ひとり』

一人で生きてきたような顔で これからも一人で生きてけるという態度で 一人になった 気分はどうだ? 念願叶ったり 良かったじゃないか 寂しがるな 不幸ぶるな 孤独ぶるな 不貞腐れた顔をするな 明け方に寝るな夕方に起きるな 日射しと人を避けるな 空腹を酒…

詩『最後の言葉』

幸せになってねという言葉が 切れ味のよいナイフとなり 俺を怯えさせる 幸せとはなんなのか そこらを歩いている老若男女 富める国や貧しい国 全人類や地球外生命体のことまで心配になってくる 本当は 最後の優しい言葉であったはずなのに 俺はどこかで 反発…

詩『ホンモノ、ニセモノ』

思い出したり夢に見たり ニセモノの どのような表情も どのような態度も 俺を喜ばせることはない 俺が一緒にいたのは 俺が求めているのは ホンモノだ ホンモノは俺を笑わせることができる 悲しませることもあるけど その悲しみを思い出にする力を持っていた …

詩『See you later』

信じてもらえないのは 俺が自分を信じていなかったからだ それは「自信」とは違う ただ言葉にする ただ行動する それが必要であり それ以上は不要であった うわべだけを繕い 体裁を整え 締まりのない顔できれいごとを言う そんな俺を 俺は捨てることにした …

詩『Gong!』

感じないこと 動じないことが強さだと思っていた男 実際はビビッていた パンチを繰り出すのではなく ガードを固めて逃げ回った 自分の勝負であるはずなのに 他人事のように結果を受け入れ しかし強がりを言う 「ああ負けたのか だが俺は無傷だ」 もはや挑戦…

詩『時間無制限一本勝負』

イエス・ノーで済むのなら コインを投げて決めればいい やりたい理由 できない理由 あるいは「どちらでもない」という場合の理由 自分の過去を辿って 自分の思考を辿って そのまま伝えればよかったのだ 繕った言葉は 繕っているということだけを伝える 結果 …

詩『俺が小説を書く時』

腹も減らず かといって酒も飲みたくない そんなきつい夜 何も知りたくない 刺激を受けたくない そんな苦しい夜 誰かと話したいような気がするが どんな話題の中にも自らの闇を見てしまいそうな そんな暗い夜 裏通りから響く誰かの声が 楽し気であっても泣い…

詩『Trrrrrr……』

電話をかける しかしコール音が鳴るだけで 君はなかなか電話に出ない 俺は道を急ぐ いつもの待ち合わせ場所へ いくらか歩いてスマホを見ると 君からの着信が残っている あれ? 鳴ったかなと思いながら 俺は再び電話をかける しかしコール音が鳴るだけで 君は…

詩『欲望』

健やかな成長を促す家庭環境 得意を伸ばし不得意を潰す習い事 情操教育に適したおもちゃ そんなものをたっぷりと受け取った俺は やがて自分が何を欲しているのか分からなくなった これが欲しいか? と聞かれればイエスかノーかで答えられた たいていはノーだ…

詩『(絶好調−絶不調)/人生』

うまくいっている時は 努力を努力とも思わない 幸運であることに気づけない うまくいかない時は 努力をやめてしまう 自分がひどくついていないと思う 抜けているのは 苦しい時ほどもがくこと 幸運であることに気づくこと な? 数学が得意だと言ったろう?

詩『好き・嫌い』

絵本を読んでもらうのが好きだった ムッシュムニエルは俺を不思議な世界へと誘った かくれんぼが好きだった もっぱら隠れる方が好きだった 探す方は 寂しかった カマキリが好きだった カブトムシやクワガタには興味がなかった コオロギやバッタを捕まえてき…

詩『俺の人生を全ベット』

なぜ? と聞かれても 根拠などない 無理だろう と言われても 俺はそれを諦める理由とは考えない 人生を賭ける価値があるから やるだけだ その価値を認めているのが俺だけだったとしても

詩『愛を』

言葉で伝えられたこと 行動で示せたこと 後から後から思い浮かぶ それが すべてであったのに

詩『できていないのは俺だけだった』

すべての人間が 言葉を使う権利を有している 自由に 好き放題に 言葉は 人を喜ばせることもある 怒らせることも 悲しませることもある 追い詰め 死へと向かわせることもある 喜ばせることだけに使えないのは 俺たち人類の愚かさであり 生き物であることの証…

詩『想像力欠乏症』

大切な人にとっての 大切な人やもの それが存在することは知っていた 俺はどこかで 自分と切り分けて考えていた 俺のものじゃないし 出しゃばりすぎかもしれない と 期待に応えられないかもしれない であればやめておこう と 敵前逃亡 意気地なし 想像力欠乏…

詩『心配無用』

言えなかった できなかった自分も 間違いなく俺だ なぜ言えなかったか なぜできなかったか その理由を毎晩考える なぜ今は言いたいのか なぜ今はしたいのか 毎晩問いただす 今度は言えるように 今度はできるように 勇気を蓄えている 死ぬまでそうしているの…

詩『クライマックスは予告されない』

闇が過ぎ 少し明るくなってきた時こそ 油断してはならない 明るさや暗さ 天気や気温に 自分の気持ちや状況は反映されない 水道管が破裂した極寒の日 陽の光が隅々まで温める日 どんな時だって 地獄はやって来る 栄光も訪れる

詩『カジノ』

UFOくらいある巨大ルーレットの上で 白いボールが回っている 今回は少々厳しいかもしれない だが 小さな可能性に賭けることには慣れている いくらでも待つさ ディーラーはさっき帰ってしまった 残っているのは俺一人 結果を見届けるのも俺一人 負けたら …

詩『天気予報は外れるに限る』

目のくらむ好天 ほんの一瞬 気分が良くなる ベッドから降りると 一日が始まる 天気予報が 明日は雨だと伝えている 俺はどこかで ホッとする 食い 働き 食い 働く 気づくと雲が広がっている 最後に 太陽の姿を見たかったと思う 夜 雨が軒を打ち始める 望んだ…