2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

詩『できれば全てのがらくたを私が発明したかった』

なんのために毎日働いて お金を稼いで食べて家賃を払って トイレットペーパーがなくなったらトイレットペーパーを買って そんなことをしてるんだろうとトイレで考えだすと止まらなくなる 裸の自分 というところから考えてみると 今自分は便座に腰を落ち着け…

詩『机上の餡パン』

言葉にした途端 もう違ってしまっている 愛のうたも怒りのうたも 夢のうたも哀しみのうたも 言葉にした途端 というか目や耳で感じ取って吐きだそうとしたときには 違うものになってしまっている どんなに言葉を重ねても 華麗な比喩を使っても 目の前のそれを…

詩『小説』

小説を読んで 夢中になる ことはあるけれど 結末が気になって というのは嘘だと思う だって結末教えたら怒るだろ 気になるのはいつも一行先 せいぜい一ページ先 俺たちが夢中になってるのは「今」だ 読むという行為の中に小説はあるし時間は進んでいく

詩『もう着くと言っていつも結果、待たせる』

なくてはならないのは希望だ 耐えてばっかりに見える奴だって いつか俺は と思ってるから耐えている というかそいつは多分耐えているとは思ってない 道の途中で苦痛とすれ違ったくらいにしか思っていない 何かを成し遂げるために 血の滲むような努力をして …

短編小説『桜に鳴る』

アパートの前は人でごった返していた。 丘の上までわざわざ朝からやってきて、路上駐車しまくりの道の真ん中で写真を撮りまくりので、短い渋滞が起こっている。バスがクラクションを鳴らしてる。 一年に一度、桜の咲く季節の休日は毎年こんなふう。普段は静…

詩『Working!』

誰でもできるような仕事にばかり従事していると 俺じゃなくてもいいんだよなあ という自虐心さえもだんだんなくなってくる やってやるか とまともな職歴もないのにオファーを受けたような気持ちで働くようになる 食うために仕方なしに仕事には就くけど 仕事…