詩『才能くん』

才能があるのか問うてくるのは

いつも俺自身だった

現実世界の奴らは

才能があるとかないとか

わざわざ俺に言ってこない

 

 

で、俺に才能はあるのかないのか

あると言えばあるし

ないと言えばない

いや、あんまりないかな……

何しろ、十八年も結果が出ていない

 

 

世の中には

隠れた才能というものもある

時代に合っていなかっただけで

ゴッホみたいに、宮沢賢治みたいに……

 

 

で、才能がないと言われたらお前は

いったいどうする?

そうですよねと笑いながら退散する?

なにくそと発奮する?

そのどっちもが、くだらないことだ

 

 

そして

もっと意味がないのが

才能があると褒められて浮かれることだ

理由はおのおの考えてくれ

俺は忙しい

俺に才能ってものがあるとして

そいつを見つけ出して

やっつけなくちゃならない

もう出しゃばりませんと泣いて謝るまで

コテンパンにしてやるんだ……