詩『言いたいことがあるなら封書で頼む』

人からあーだこーだ言われて駄目かもしれないと思い
俺は間違っている
馬鹿だ
物覚えが悪い
努力が足りなかった
才能がなかった
と認めるのはすごく簡単だ

ふつふつと湧きあがる怒りに似た感情
ああ確かに俺は間違っているのかもしれない
馬鹿なのかもしれない
物覚えも悪いさ
努力も足りなかったのかもしれない
才能もないかもな
という開き直りもすごく簡単だ
諦めるのはもっと簡単だ

打ちのめされたけれどそれを糧として
言われた通り
自分を殺して
言われた通りの道を進むのも
まあ
難しいことじゃない

非難と賞賛の全てを押しこめ
冷静に
自分だけで自分を分析し
考え
やる
それだけが少し難しい