詩『カラス』

夜中に鳴くカラス
私はその鳴き声で目を覚まし
布団を口の辺りまでひきあげ
不吉だ
と思う


カラスの方はきっと
何かしらの事情があって
夜中に鳴いて
それで不吉だなんて思われて


あの大きな
真っ黒の
ゴミを漁るカラスは
不吉な要素ばかりのようで
私たちは連想ゲームみたいにして不吉を感じる


小さくて
真っ白で
水しか飲まないカラス


そんなのが
何かしらの事情で
夜中に鳴いたって
何も思わないくせに


私は自分で不幸になっているのかもしれない