詩『日曜日の夕方』

くたびれた車両の中
くたびれたシートの上
くたびれた私は帰って晩ごはんを作る面倒くささのことを考え


その投げやりな思考は
何時間走り回っても疲れ知らずだった幼い頃の思い出を持ってきて
私は無意識に
近くでない景色を求めて窓の外に目をやる


視線の移動で見つけてしまった窓に映る自分の
半分影の顔をやり過ごし
遠く遠く
長く見つめていられる景色を私は欲す


オレンジ色の染まる友達の優しい笑顔を思い出し
惜しまれながら沈んでゆく夕陽を思い出し


ただひたすらに傲慢に
今がずっと続けばいいと心から祈る私がそこにいる


あれほど心から祈り
しかもそれが叶うと信じていた
小さな愚か者


それが私
だった