詩『街角を曲がるときにはポケットから手を出しておくこと』

俺はずっと思ってた
俺たちのせいで暴れだした自然が
俺たちを殺すのも
自然と呼べるんじゃないかって


地球が熱くなったって
水面が上昇したって
生き物が絶えたって
地球が爆発したって
それも自然と呼べるんじゃないか


人間が今あがいている状態も自然と呼べる
試行錯誤して
自分たちが生きる世界をより快適にしようとするのも
その快適さをできるだけ長く保つための努力も
呼び名は別として
まあいいじゃないかって思う


けど
俺がムカつくのは
自然を守るって言うなよ!ってこと
俺が生きたいですって言えよ!ってこと


自らの行動を自分以外の何かのためだと思ってると
いや思っていなくても口にしてしまうと
予想外にひどくぶちのめされたとき
その何かのせいにしてしまう
あいつのためにやったのにって言い訳をしてしまう
何人もそんな奴を見てきた


生きるか死ぬか?
とナイフを突きつけられたとき
えーっと、と見逃してもらえる答えを探すんじゃなくて
間髪入れずにそいつをぶん殴ってやれるように
俺はなりたい