詩『捨てたときにゴミになる』

死にたくなくて仲間を押しのけて食べ物を奪うように
メシを食っているか
死にたくなくて飲み込んだビニール袋を一刻も早く出すように
糞をしているか
死にたくなくて全てを捨てて逃亡生活を送るように
スーパーマーケットに向かっているか
死にたくなくてたった五分でも目を瞑って休息するように
眠っているか
死にたくなくて嘘を吐き情状酌量を求めるように
喋っているか


のんべんだらりと生きる人々と俺
疲れてる
金をもらってる
誰かの役に立った
ということで満足を得る人々もまた
のんべんだらりして見える


もう人から学ぶことは諦めた
どう生きれば
せめて俺にとっての正解なのか


誰一人言わない
環境破壊は私が死なない程度にしましょう


身ぐるみはがされ
仲間を奪われ
錆びついたナイフを突きつけられさえすれば
俺は俺のやるべきことを思い出すのに


人が人でなくなりそうな瞬間こそ
俺は俺でありたいと強く思うのに
誰もそうはしてくれないし
そんなの嫌だなあ
とほとんどの俺が思っている


どうしようもなくて群衆に紛れるときもある
そこで俺はホッとする
ああ別に俺が成し遂げなくてもいいんだ
成し遂げるのは誰かがやればいい
勝手にやってくれればいい
俺は自分の幸せを掴むから


切り離した世界で
幸せを掴もうとする
それでも無理なら
世界はもっと小さくなる
でも自分じゃ気づかない
ずっと同じところで
同じ世界で暮らしているつもりでいる
買ってもらえるものを欲しくなる従順なガキに成り下がる


そうして俺たちは
宇宙を支配する大王になる夢を
いつの間にか諦めている