詩『人類が数字を発明したが最期』

毎日何もせず
できるだけ何もせず
死へのカウントダウンを一つずつ


周りがざわつき始める
おいおい
大丈夫か?
何かあったのか?


静かにしろ
俺は数えてるんだ


周りは非難がましくなる
何やってんだよ?
何がしたいんだ?
とにかく何かしろよ
働けよ
外に出ろよ


静かにしろ
俺は数えてるんだ
みんなが忘れていることを
みんながせっせと汗水垂らして働いている間に
部屋で一人
意味あるのかって?
じゃあきくが
何をすれば意味があるのか
意味の意味の意味の意味の意味って何だ?
俺は数えて
今をしっかりと見届けたいだけだ


この世では
何かをするのがいいってことになってる
例えそれが悪事であろうと
全く何もしないよりはマシって思われてる
俺だって
息をしてメシを食ってクソまでしているのに
それ以上の何かをしなくちゃならないことになってる


あなたはやればできるんだから
よく言われたもんだ
その言葉を信じて
俺は何もしてこなかった


最近はそう言ってくれる奴もいないが
俺はまだ信じている
やればできるんだと
今さら嘘だとは言わせない