詩『ショウウインドウに映る俺』

誰とも喋らないのが何日も続くと
生きているということが実感できる
何にもしなくても腹は空く
眠くなるしいらいらもする
ああ俺は生きているんだと思う


死の淵から生還したときとは多分ちょっと違う生の実感
まあ死の淵に立ったことなどないが


何にもしなくても生きてしまうんだと分かると
あと少し何かあれば生きていくのは簡単だって気になってくる
寝床と
食べ物と

服二着
そんなもんだろって気になってくる


この世で最初にそれ以外のものを欲しがった奴を
憎まずにはおれない
どうせ欲しがることになるならその役は俺がやりたかったから