詩『苦しみがまたがるシーソーの反対側には誰も腰かけないということはない』

なんだかいろんなことがうまくいかないで
苦しいような気がしたら
あるいは苦しみを予感して脅えたらな
もうその時点で苦しみの領域にしっかり立ってる


すごく苦しい
少し苦しい
苦しみはそんなふうに分けられない
からっぽの部屋の床に積もる埃のように
どこにでもまんべんなく積もる


あのとき一体俺は何に苦しんでいたのか
いや
どんなときだって
苦しみの原因など存在しないのかもしれない
どんな幸福を目の前にしていたって
俺たちは簡単に苦しんでしまう
幸福なふりをしていたって
片手間に苦しんでしまう
そしてときどき
片手間のつもりだったのが
引きずられていってどっぷりはまる
ちょっとした、捉え方の違い
俺とお前の間のどうしようもない
ものごとの捉え方のどうしようもない隔たり


俺の人生、お前なら楽しく生きたかもしれない
お前の人生、俺なら楽しく生きたかもしれない


何の努力もしていないのに
俺の人生を生きる俺にも
ときどき
笑えるようなことが起こる


知ったこっちゃないけど
どうせお前もそうなんだろう?