詩『王様がお呼びになっている』

世間に認められなかった時

見る目がないと憎むのか

力不足と反省するのか

そこにたいした違いはない

 

 

仮にちやほやされたとして

では見る目があったのか

力が満ちたのか

そんな都合の良い話はない

 

 

いつだってこの世の成功はたまたま

目指し努力し近づくことはできたって

最後のところは

偶然によって決定する

 

 

審査員がフェミニストだったら?

俺の経歴が気に食わなかったら?

裏金がまかり通っていたら?

はたまた

日本が戦争に勝っていたら?

大地が象に支えられた盆の上にあったら?

恐竜が滅びなかったら?

 

 

俺が

俺でなかったら?

 

 

勝者となり栄冠を授かった時

そのピカピカの冠を見ているのは俺ではない