詩『ヒーロー気取りで世界を救うフリ』

きっかけを掴もうとする
何か衝撃的なこと
誰もが「それきっかけだ」と感じるようなこと
あとあと「あれがきっかけだった」と語れるようなこと


きっかけって何だ?


言葉にできなくちゃいけないのか
ハッと
その瞬間に覚醒するようなことでなくちゃいけないのか


ずーっと繋がってる
たとえば今日風呂に入るか否か
バスに乗り遅れるか否か


今日風呂に入らなかった事実も
バスに乗り遅れた事実も
選択肢があったわけではなく
他に方法があったわけではなく
ただ
風呂に入らなかったのだ
バスに乗り遅れたのだ


そんなのが積み重なって
俺は人生において大成功したり
大失敗したりする
ほんとだぜ?


全てが次の瞬間に生きてくる
良くも悪くも


だから俺は
風呂に入らなかったことが
バスに乗り遅れたことが
いつか世界でも救うのだろうと信じて
ヒーローを気取って
明日もきっとバスに乗り遅れる
風呂には入る
多分